お知らせとレポート

みんなでエコアクション「そらべあちゃんの日」オンライン説明・報告会を実施しました

2024年度の環境教育活動サポートプログラム「そらべあちゃんの日」に取り組まれた園から1年間の実践活動をご発表いただく報告会と、2025年度に向けた説明会を、2月6日にオンラインで実施しました。

2024年度の活動は、「そらべあ発電所」を2021年から2023年度に寄贈した全18園が取り組みました。

各園の「実施報告書」を集計した結果、2024年度に参加した園児数の合計は640名となり、2022から2024年度における3年間の累計は1,385名となりました。(2024年度 そらべあちゃんの日「実施報告書」集計)

■ 計画は「理想のゴール」に向かって

2024年度は、お天気しらべ(調べる活動)、ソーラーちょうちん(つくる活動)、緑のカーテン(育てる活動)、そらとべあのきもち(対話の活動)、4つの環境教育活動から各園が年度始めにいずれか1つを選択し、実施計画書を作成して活動を開始しました。

そらべあ基金では、事前ワークシートを用意して、計画書を作成する前に「1年後の春、園や園児が “こんな風になっていたらいいな” という理想のゴールイメージを話し合ってみましょう」と提案しています。

4つの環境教育活動のうちのひとつである「ソーラーちょうちん(つくる活動)」の事前ワークシートより、参加園が描いたゴールイメージの一部をご紹介します。

・ソーラーパネルから自然のエネルギーや環境問題を身近に感じ、地球温暖化に興味、関心が持てるようになって欲しい。
・また気になった事や知りたいことなどを自ら調べる姿が見られるようになって欲しい。

・今回の太陽光発電設備の設置をきっかけに、どのようにエネルギーが作られているのかを学んだり、実際に製作など体験したことから、様々なことに興味をもって挑戦したり調べてみようとする子どもたちになってほしい。
・また、地球とのつながりについても改めて考えるきっかけとして捉え、まずは園での取り組みや活動の内容を発信することで地域の方にも知ってもらいたい。

いかがでしょう?
 
どちらも同じ活動ですが、目指すゴールには違いが見受けられます。

たとえば、「旅行」の計画を考えるとき、目的地(ゴール)によって行き方(方法)が異なるように、誰と行くか(参加者)、どのような旅行にしたいか(内容)、大切にしたいポイント(価値観)もそれぞれが異なります。こうした要素をあらかじめ共有することで、よりスムーズで楽しい「旅行」が実現します。

計画には多様な選択肢があります。自園らしい活動のあり方をチームで話し合い、見える化することで、実施がよりスムーズになります。

1年間の試行錯誤を重ねた各園からの実践報告では、「なるほど、そんな視点(方法)もあったのか!」と膝を打つ気づきがあり、参加園が相互に学び合う貴重な機会となっています。未就学児向けの環境教育活動を考えるヒントにもなりそうです。各園の「実施報告書」は下記のURLからご覧いただけます。

2024年度「そらべあちゃんの日」実施報告書

お天気しらべ(調べる活動)https://www.solarbear.jp/assets/pdf/smileproject/otenki_2024.pdf
ソーラーちょうちん(つくる活動)https://www.solarbear.jp/assets/pdf/smileproject/solar_2024.pdf
緑のカーテン(育てる活動)https://www.solarbear.jp/assets/pdf/smileproject/curtain_2024.pdf
そらとべあのきもち(対話の活動)https://www.solarbear.jp/assets/pdf/smileproject/talk_2024.pdf

■オンライン説明・報告会の様子

オンライン説明・報告会には、19園の皆様にご参加いただきました。
開会にあたり、理事 兼 事務局長の下川からご挨拶をさせていただきました。

「2025年は100基目の「そらべあ発電所」が寄贈となる見込みです。 全国100園に近い「そらべあ発電所」でつながる仲間ができ、2022年度からはじめた「そらべあちゃんの日」の活動を通じて園の環境教育をより効果的な形で実施していただき、「地球温暖化」の問題解決に少しでもつながる社会づくりを皆さまと共に取り組んでいきたいと思います。」

報告会では、4つの活動について、それぞれ1園に発表していただきました。
活動別にご紹介します。

活動テーマ  緑のカーテンから頂く恵み

・「そらとべあの北極の氷が溶けてかわいそう。エアコンを使うのではなく、緑のカーテンで涼しくなるほうがいい」と子どもたちが、「そらべあちゃんがくれたゴーヤー」と、そらべあとゴーヤーを結びつけながら親しみをもって栽培してました。
・苗が生長し葉を茂らせ、花が咲いて実がなり種ができて、やがて枯れていくという一連を見てから、枯れた葉を畑に漉き込みました。「この土にまたゴーヤーの種を植えたら、ゴーヤーの栄養で育つね」と植物の循環についても気付き始める様子がありました。

活動テーマ  ソーラーランタンの活用法を知りながら楽しく遊ぶ

・お泊り保育の夜に探検ラリーを計画し宿内の電気を消して真っ暗な中、光るランタンを手に4人組で巡りました。道中はドキドキでしたが「ランタンがあるから大丈夫!」とパワーをもらって挑んでいました。
・年長児は発電モニターを見て、つくる電気とつかう電気を比べ、発電量が少ないと「今日はお日様が出てないから」と天気とも関連付けて考えられるようになりました。
・夏は保育室内が明るく、「小さい電気でいいよ」と電気の使用量を最小限に抑えようとする姿や、冬は電気をたくさん使っているということがなんとなくわかり、発電量が0で驚く様子がありました。

活動テーマ  お天気に興味を持とう

・活動を始める前は天気に興味がなかった子どもも、活動を通して「今日は晴れだね」「発電量どうかな?」と気にかける様子が見られ、その日の発電量を発表するときは、自信を持って発表していました。
・最後には天気による発電量の違いを確認したり、話し合ったりする時間がもてました。
・また節電や節水、廃材を使っての活動にも取り組み、自分たちで気づいて電気を消したり水を止めたりする姿が見られるようになりました。
・季節ごとの発電量もシールを付けて発表しました。天気や季節によって発電量の違いを目で見て知ることができ、子どもたちにとって良い経験になりました。

活動テーマ  そらとべあのきもち

・お面づくりで、そらとべあに親しみを感じて喜んだり、自分たちにできることは「電気をこまめに消すこと」「水の出しっぱなしをしない」と話していました。
(氷実験)・川遊びの日に牛乳パックに水を張りそらとべあの絵を入れ凍らせ北極に見立てた氷で、「氷実験」を行った。氷がどんどん溶けていくのを観察し「あー、そらとべあの氷、溶けちゃった」と話していました。あっという間に溶けていく様子に驚いていました。折り紙を制作し、そらとべあの北極の絵を描いたりして、涙を流したそらとべあを描き、「氷が溶けてかわいそうだったね」「お母さんに会えたらいいね」など感じたことを話していた。
(ミニ新聞づくり)これまでの取り組みを撮った写真を貼り、クラスの新聞をつくりました。

■参加園のつながり

参加園による実践報告会では、各活動を通して実現できたことや子どもたちの様子、さらに今後に活かせる点などについてご発表いただきました。新年度から活動に取り組む園の皆様にも、活動のねらいや子どもたちの反応を、具体的にイメージしてもらえたと思います。

ブレイクアウトルームを活用した活動別の実践報告発表やディスカッション、情報共有も行いました。

「緑のカーテン活動・対話活動」グループのセッションでは、緑のカーテンづくり2年目の、のだのこども園(千葉県野田市)からご発表いただきました。ゴーヤーのつるを使ったアート活動など「なるほど!そんな楽しみ方もあったか!」と興味深いお話をお聞かせいただきました。

参加園のアンケートより一部をご紹介します。

・活動の意味を再確認することができました。また、全国でどのような園が「そらべあ発電所」を寄贈していただいて活動しているのかもわかりやすかったです。緑のカーテンは、環境で育ち方が変わるというお話は興味深かったです。
・ソーラーちょうちんの活動は一年を通して保護者とも考えられるように取り組んでいたり、楽しそうな活動が沢山されており学びになりました。また、お天気調べで毎日記録してグラフにしていてわかりやすいなと思いました。子どもたちも率先して発電量をみていてすごいなと思いました。
・各園の先生方がそれぞれの活動に対して、創意工夫を凝らしながら活動していることが感じられました。
・お天気調べや発電量の記録は多くの施設が実施していて、子ども達にとってもわかりやすい活動なのだと感じました。

■みんなでエコアクション

2024年度をもって、寄贈から3年目を迎えた6園が本活動を卒業しました。

3年間を改めて振り返るアンケートでは、「太陽、お天気、発電という子どもたちにとってはとても身近な興味のある題材に積極的に取り組むことができて環境問題を身近な事柄としてとらえることができるようになりました。」 「この活動で得たことを活かし、サポートが終了しても園内で継続していきたいです。」といった嬉しい声が寄せられました。

次のステージへと巣立つ園を応援しつつ、新たに取り組みを始める園に寄り添いながら、「みんなでエコアクション」をテーマに、幼児期から環境保全に関心をもち自ら行動ができる子どもたちの輪を全国に広げていけるよう、そらべあ基金では引き続き取り組んでまいります。これからの各園での実践にも、大いに期待し注目しています。

■プロジェクトの協賛社をご紹介

そらべあスマイルプロジェクトの一環として2024年度の活動をご協賛いただきました。
継続的なご支援に深く感謝申し上げます。(五十音順)

ソニー生命保険株式会社
https://www.sonylife.co.jp/land/sustainability/environment/solarbear/

ソニー損害保険株式会社
https://www.sonysonpo.co.jp/company/sustainability/environment/solarbear/

そらべあスマイルプロジェクト
全国の幼稚園・保育園・こども園等に太陽光発電設備「そらべあ発電所」を寄贈する「そらべあスマイルプロジェクト」を実施しています。このプロジェクトは、再生可能エネルギーの普及啓発と、子どもたちへの環境教育を行うことで、地球温暖化防止に貢献することを目的としています。プロジェクト開始から17年目を迎えた2025年、全国で100基目となる「そらべあ発電所」の設置を予定しています。

そらべあちゃんの日
「そらべあちゃんの日」は、そらべあ発電所を寄贈した幼稚園や保育園やこども園(寄贈園)を対象に、環境教育活動に役立つ資材やノウハウを寄贈後3年間にわたり提供し園の環境教育活動をサポートしています。「みんなでエコアクション」をテーマに、幼児期から環境保全に関心をもち自ら行動ができる子どもたちの輪が広がっています。

福祉との繋がり
「そらべあちゃんの日」で提供する環境教育用資材の一部は、港区内の福祉作業所で加工製作しています。障がいのある方の暮らし、働き、夢を叶えるためのサポートに取り組む福祉施設を、活動を通じて応援します。

「そらべあちゃんの日」2023年度 説明・報告会の様子

「そらべあちゃんの日」2022年度 説明・報告会の様子