お知らせとレポート

「しろくまカメラマンに聞いてみよう!」@ふじみ野市、板橋区を開催しました

猛暑の記録が各地で更新され、ますますシロクマ達のことが心配な今年の夏休み期間に、2か所でそらべあ環境ワークショップ「しろくまカメラマンにきいてみよう!ホッキョクグマと地球温暖化」を実施しましたので、その様子を報告します。

2か所目のワークショップには、今年の4月からそらべあ基金で大学生インターンとして活躍してくれていることりさんも参加してくれました。子ども向けのワークショップではありながら、たくさんの新鮮な発見があったようです。ことりさんからの感想レポートもありますので、是非、ご一読ください。

このワークショップは、20年以上も野生のシロクマを撮影するためにカナダのチャーチルに通っている自然写真家の丹葉暁弥さんから、シロクマ達の貴重な姿を映した写真や映像を見せていただきながら、撮影時のシロクマとのエピソードや、シロクマがどんな動物なのかなどのお話しをお聞きます。また、子どもたちの質問に答える質問タイムを設け、さらに理解を深めます。 そらべあ基金からは、「そら」と「べあ」がどうして泣いているのかを動画でみてもらった後、地球温暖化に関する説明や、そらべあの涙を止めるためには自然エネルギーという解決策があること、また、子ども達にもできるエコアクションを紹介します。


①ふじみ野市の環境学習館「えこらぼ」(埼玉県)

7月24日、「えこらぼ」での夏休み特別企画「自由研究講座」全8回のうちの第2回目を担当させていただき、小学生9名とそのご家族にご参加いただきました。昨年に引き続き2回目の開催となります。こちらにはとても大きなスクリーンが備えられているので、映し出される写真や動画に迫力があり、参加してくれた子どものみならず、保護者の方々も前のめりになって丹葉さんのお話を聞いてくださいました。

大きなスクリーンで大迫力の写真や動画を見せながら説明する丹葉さん
質問を考えながらきいてくれています

② 板橋区小学校内学童保育(東京都)

8月27日、東京都板橋区の小学校内学童保育に通う小学生31名を対象に実施しました。本活動は、板橋区立エコポリスセンター(https://itbs-ecopo.jp/)主催の区民向け環境学習「地域エコロジー講座」としてご依頼を受けて行った取り組みです。

ホッキョクグマの親子の様子を語る丹葉さん
熱心に話を聞いてくれた子ども達
クイズに正解すると「よっしゃー!」と盛り上がりました
最後に記念撮影

インターンのことりです。
今回のワークショップを通して、シロクマの「かわいい」だけでは語れない生態や、北極で起きている深刻な環境変化を学ぶことができました。子どもたちが積極的に質問を投げかける姿からも、未来の地球について考えるきっかけが広がっていることを感じました。
 
特に印象に残ったのは、子どもから「どうしてしろくまカメラマンになったんですか?」との問いに、丹葉さんが「シロクマが好きだから。好きなものにあまり理由はない」と語った場面です。20年以上もシロクマを追い続ける動機は、使命感や研究目的のみによるものだと想像していましたが、出発点は「好きだから」というシンプルな想いでした。この言葉は、環境問題のように大きく難しいテーマに向き合うときでも、まずは自分の「好き」や「好奇心」から始めていいのだと教えてくれました。
また、子ども向けに語られたお話でありながら、大人である私自身も強く引き込まれました。たとえば「シロクマの毛は透明で、光を反射するから白く見える」という説明をきき、私がこれまで当たり前に“白い毛”だと思い込んでいた理解が覆えされました。さらに「氷が張る時期が一週間遅れると、それだけでシロクマの体重が数十キロ減ってしまう」という話は、温暖化が動物たちの生存に直結する現実的な危機であることを実感させられました。数字で示されることで、地球温暖化の影響が抽象的な問題ではなく“今まさに起きている現実”として迫ってきたのです。
会場では子どもたちが「なんでシロクマの肌が黒いの?」「北海道にはいないの?」と素直な疑問を投げかけていました。その姿を見ながら、自分自身も同じように“なぜだろう”と問い直す瞬間が何度もありました。子どもたちと一緒に考える時間を過ごす中で、学びは年齢に関係なく誰にでも新しい発見をもたらすものだと気づかされました。
今回のワークショップの内容は、子どもたちにとって環境を学ぶ入口であると同時に、大人にとっても当たり前を揺さぶる時間になると思います。


ふじみ野市「えこらぼ」や板橋区の学童で参加してくださった皆さま、またご依頼いただきました皆さま、どうもありがとうございました!

また、それぞれのワークショップは、下記のサポーター企業からのご支援により実施させていただきました。ご支援に感謝申し上げます。

ワークショップご支援いただいた企業
ふじみ野市の環境学習館「えこらぼ」(埼玉県)株式会社RT
板橋区の小学校内学童保育(東京都) 株式会社NTTスマイルエナジー

【丹葉暁弥さんプロフィール】

自然写真家、シロクマ写真の第一人者。北海道釧路市出身。幼少の頃から釧路湿原の大自然の中で、風景や野生動物を撮影していた。1995年、どうしても野生のペンギンに逢いたくて南極へ渡航。以後、1998年にカナダ北部で野生のシロクマに逢って以来、その魅力に取り憑かれて、ほぼ毎年彼らに逢いに通っている。自然保護活動をしながら、地球や動物たちの未来について、メディアや雑誌などへの寄稿や、全国で講演などを行っている。

『HUG! friends』『HUG! earth』『HUG! today』(小学館)
「SOON 氷の橋を目指すシロクマ」(トゥーヴァージンズ)
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「しろくまカレンダー」の2026年版(壁掛け・卓上)も販売開始したそうですので、是非チェックしてみてくださいね。

「しろくまカレンダー」に込められた自然写真家・丹葉暁弥さんの想いを聞く

ワークショップの内容については、過去の開催回などをご参照ください。