お知らせとレポート

「夏休みこども消費者体験教室」に初参加
埼玉県生活科学センター(彩の国くらしプラザ)

そらべあ基金は8月4日(金)、川口市の埼玉県生活科学センター(彩の国くらしプラザ)主催の「夏休みこども消費者体験教室」で、夏休みの小学1年生から6年生の男女22名を対象に、そらべあ環境ワークショップ『自然エネルギーでともるソーラーちょうちん』を実施しました。今回は、埼玉県の「環境学習応援隊」に登録する当基金のプログラムにご関心いただいたことをきっかけに彩の国くらしプラザよりご依頼を受けたことから、初めて参加いたしました。

8月4日は同県内のさいたま市で最高気温37.9度(気象庁発表)と、思わず外出をためらうような夏の強い日差しと高い気温の午後にも関わらず、抽選で決定した参加者全員にご参加いただいて1時半から3時までの90分間の環境ワークショップを実施することが出来ました。

 

はじめまして。みんなに質問です!

 

最初に「今日はなぜ参加してくれましたか?」とみんなに質問。恥ずかしそうに 「工作が楽しそう」と答えてくれたり、「電気がつかなくなったときでも明るいライト(ソーラーちょうちんのこと)があれば安心だと思ったから」と答えてくれました。 7月は九州北部で線状降水帯が発生し大雨による土砂災害、浸水、河川氾濫の被害がテレビで報道されたことも記憶に新しいなか「電気がつかなくなったとき」という”もしも”をリアルにイメージしている発言もあり、災害などのことも真剣に考えているように感じました。

 

ホッキョクグマの「そら」と「べあ」のアニメ

 

部屋を暗くして「そらべあ物語」のアニメーションをみてもらったあと、1980年9月と2012年9月の2枚の海氷面積を写真で見比べてもらい、「そら」と「べあ」が暮らす北極域では氷が大きく減少しているお話をしました。北極の氷がこんなに減っている事を知っていたか、子どもたちに質問したところ、「そんなことが起きているなんてぜんぜん知らなかった」と悲しそうな声があがりました。

海氷面積はどれぐらい変わったの?

 

振り返ると、1980年に小学生だったわたしと2023年に小学生の子どもたち、夏休みの過ごし方も大きな違いがあります。この酷暑で、皆さんも頻繁に耳にするようになった「熱中症警戒アラート」など、外出を控える注意を呼びかけられる日が多くなり、野外で自由に走りまわって遊べる環境はますます減っているように思います。気候変動の影響によって将来がどうなるのか、当時小学生のわたしは想像もしていなかったですが、温暖化が進む今その違いを実感しています。生まれて数年しか過ごしていない彼らがこの先何十年と生きていく環境を、大人がどのようにより良くできるか、きちんと考えていきたい課題です。

 

スライドでは北極だけではなく地球全体が関係している温暖化のことや、わたしたちの生活には多くのエネルギーが使われていること、エネルギーの作り方や使い方によって温暖化の進行にも影響があること、またエネルギーは様々な作り方があり、その1つが再生可能エネルギーという方法で今日の工作は太陽光発電という仕組みを利用することも、やさしく伝えました。

 

再生可能エネルギーって知っている?

 

ワークショップは学校とは異なる1年生から6年生まで混合学年で行いました。子どもたちの理解度も異なることから身体を動かし「エネルギーの作り方・使い方」を考えようと、2種類の手回し発電実験を行いました。

1つめのエネルギーの作り方では、手回しで扇風機を回して涼しい風をおこす実験を行いました。風を感じたら手を挙げてもらいます。みんな楽しそうにハンドルをぐるんぐるんと回して挑戦していました。

手回し発電実験よーいどん!扇風機はまわるかな?

 

2つめのエネルギーの使い方では、手回し発電で、3つの電球(電球・蛍光灯・LED電球)を点灯させます。一番かるく回せて、早く点灯するのはどれかな?という比較実験をしました。実験の前に用意したワークシートを使って子どもたちに点灯順番を予想してもらいました。

電球?LED電球?蛍光灯?どれが一番かな?

 

実験後、何人かに結果をインタビュー。小さな子も大きな子も、かるく回せて明かりがついて一番明るかったのは「LED電球!」と答えました。予想と実際の順番をワークシートに書き込み、違いに納得できたように思います。工作で利用するソーラーLEDライトの特性も、自分の言葉で説明できる体験を得て、理解を深めてもらいました。

手回しで、電球がつくよ!順番にやってみよう。

 

そしていよいよ、お楽しみの「ソーラーちょうちん」作りです。工作活動では年齢差はあっても普段のその子らしさ、慎重さや丁寧さ、細かい部分へのこだわり、マイペースさなど、それぞれの「らしさ」を感じます。保護者の手をかりることを拒み最後まで一人で頑張っていた1年生もいました。作るのは大変だった分、達成感を味わってもらえていたらいいなあと思います。

ソーラーちょうちん、完成したよ!

 

今日の活動をきっかけに、参加してくれた子どもたちが何か1つでも疑問を持ち帰って調べてみたくなったり、家庭で使っていない部屋の電気を率先して消したくなったり、水道を使い終わったらすぐ蛇口をキュッと締めたくなっていたら、それは成功!です。そんな風に小さな仲間が増えることを期待しています。

お話や実験・工作と色々チャレンジしたね。

 

最後に、埼玉県の環境政策課をはじめ彩の国くらしプラザの皆さま、参加してくれた小学生とその保護者の皆さま(暑いなかありがとうございます!)、そして法人サポーターとして活動を支えていただいた株式会社シール堂印刷の皆さま、大変ありがとうございました。

そらべあ基金が昨年までに実施した環境教育活動に参加してくれた子どもたち人数は累計で約1万6千人となりました。今後も、より多くの子どもたちと地球の未来を一緒に考えていきたいと思います。

皆さまも、地球の環境問題について、ぜひ一緒に考えていきませんか?